「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥。」
千利休の有名な言葉です。
「自分の無知をさらけ出すのは恥ずかしいことのようであるが、この恥はその場かぎりのものでもあり、聞かないですますと、生涯、知らずにすますようなことになる」という例えで、知らないことを聞かずに放っておくことが、実は恥であるという意味にもなります。
この記事では、役立つ寿司用語を集めました。知れば一生の知恵。
是非、学んで活用してください。
寿司用語大百科
あがり
あがりとは、 お寿司屋さんの最後に出てくるお茶のこと を指します。
あがりという言葉は、元々日本舞踊で使われていて「最後のもの」といった意味です。
むらさき
むらさきとは、 お醤油のこと を意味します。
色見からこう呼ばれるようになった説と、もう一つの説があります。
醤油は室町時代にできたとされ、当時の醤油は非常に高価なものであり、塩の7、8倍であったといわれています。一方、服飾の世界では、紫の染めは大変高価で贅沢品であった。染めの世界では「紫」がとても貴重であり、醤油と同じように簡単には使えなかった。
そこで、醤油が暗い紫をしていることをかけて、醤油を貴重なものの代名詞として「むらさき」と呼ぶようになったと言われています。
むらちょこ/おてしょ
これは寿司を食べる際に使う 醤油皿 のことを言います。
この用語は特に回転寿司ではあまり通じないと思うので、かっこつけて使わない方がいいです。
がり
がりとは、 生姜の甘酢漬けのこと です。
生姜の甘酢漬けが「がり」と呼ばれるようになったのは、噛んだ際に「ガリガリッ」という音がするためです。
また、生姜を刃物で薄く削る時に「ガリッ」という音がするからという説も存在します。
殺菌作用もあり、寿司を食べた時は必ず食べておいた方が良いと教わったこともあります。
なみだ/さび
なみだや、さびは、 わさびのこと を意味しています。
由来は、わさびを食べるとツーンと目に染みて涙が流れてくるためです。
ホースラディッシュ(山わさび)を使用する寿司もあり、これもまたガツンっとくる辛さで泣かせてくれるんです。まぐろや、きゅうり、かんぴょうと相性がいいですね。
ネタ/タネ
ネタやタネは、 お寿司の材料のこと を指します。
元々お寿司の材料は「寿司種(すしだね)」と呼ばれており、その種を逆さに読んだ隠語が「ネタ」です。
かっぱ
きゅうりやきゅうりの巻き寿司のこと をいいます。
きゅうりがかっぱと呼ばれるようになったのは、妖怪である河童の好物が「きゅうり」だったためです。
(またその他にも、きゅうりを切ると断面が河童の頭の皿のように見えたためという説も有力です。)
鉄火
マグロの赤身を使った巻き寿司、つまり鉄火巻きのこと です。
赤身を使った丼のことを「鉄火丼」と言ったりもします。
マグロの赤身の巻き寿司が鉄火巻きと呼ばれるようになった理由として、昔の賭博場が関係します。
昔は賭博場のことを「鉄火場」と呼んでいました。
そして、博打をしながらでも食べやすいお寿司として生み出されたのが、鉄火巻きということです。
つめ/煮詰め
アナゴやタコに塗る 甘いタレのこと です。
このタレがつめと呼ばれる理由は、穴子を煮たあとの出汁にザラメやお酒などで味付けして、じっくり何時間もかけて煮詰めて作ることからきています。
づけ(漬け)
お醤油に漬け込んだネタのこと を指します。
その名の通り、漬けることを「づけ」と省略した意味です。
冷蔵の技術がなかった時代に、マグロを長期保存するために生み出された方法です。
シャリ
シャリとは、 酢飯 のことをいいます。
また、シャリの中でも「赤酢」というお酢を使ったしゃりのことを「赤シャリ」と呼ぶこともあります。
あたり
あたりとは、日本料理で板前の専門用語で「味」のことをいいます。
味を付ける=あたりを付けるとよく使われ
味見をしてもらう時に「あたりをみて頂けますか?」などとも使われます。
ヤマ
商品が品切れになったこと を表します。
由来は「ヤマほど売れて売り切れた」「山の頂上には何もない」からなど諸説あります。
ぎょく(玉)
ぎょくとは、 卵焼きのこと を指します。
卵焼きがギョクといわれる理由は、「玉」の音読みで呼ばれたことが語源です。
光りもの
光ものとは、 背中が青いお魚 のことです。
「背中の青い魚」とは、見た目の通り表皮が青光りしている魚のことで、「光りもの」とも呼ばれます。アジ、サバ、コハダ、イワシ、サンマ、ニシンなど、日本人の食生活になじみの多い魚が多く、寿司ネタでも大人気です。
ゲソ
ゲソとは、 イカの足 のことです。
イカの足がゲソといわれる理由は、お客様が脱いだ履物を昔は「下足(げそく)」と呼んでいたことが始まりといわれています。
ちなみに、いかの内臓のことを 「ゴロ」 と北海道や東北の方言で言われています。
はかりめ
アナゴ のことです。
アナゴの体の表面には、点模様があり「目盛り」のように見えることから、はかりめと呼ばれるようになりました。
あにき
先に仕込んだネタや先に使う食材のこと、つまり 古いネタ(食材) のことを指します。
おとうと
あにきの逆で 新しいネタ(食材) のことをいいます。
つけ場
つけ場とは、 板前が立つ調理場のこと です。
昔は、お寿司を握ることを「つける」といっていたことから、つけ場という呼び名がつきました。
その他の説として、昔はお寿司のネタをお醤油などに漬け込んでいたことから、つけ場と呼ばれ始めたという説も有力です。
帯付け
握り寿司を握る際に 海苔で帯を巻くこと を指します。
主に、玉子、数の子、芽ネギなどで使われます。
化粧
光りものなどの上に乗せる、ねぎやおろし生姜などの 薬味 のことをいいます。
「化粧しておいて」と先輩から頼まれることがあります。
てこ
握り手の補佐をする人 のことをいいます。
主に軍艦や巻物を作ったり、化粧をしたりなどの手伝いを握り手の横でします。
一人前の板前として握るようになる手前の段階で、この補佐として板前の横に付きながら色々学んでいきます。
出ばな
出ばなとは、 お寿司屋さんで最初に出るお茶 のことをいいます。
なみの花
なみの花とは、 塩 のことです。
塩がなみの花といわれる理由は、塩は海水から作られるためです。
海の波によってできる花=塩という意味。
しんがさ
巻き寿司やちらし寿司などに使う椎茸 のことです。
ドンシャリ
お酢を混ぜていないお米 のことをいいます。
みやじま
お米と酢を混ぜ合わせるときに使う しゃもじ のことをいいます。
名産が宮島であることが由来。
おどり
生きたままの寿司種(すしだね) のことをいいます。
にげ物
原価の安いもののこと
クサ
クサとは、 海苔 のことです。
海苔は海草の一種のため、クサと呼ばれるようになりました。
まきす
巻物を作るときに使うすだれ のことをいいます。「まき」ものに使う「す」だれでマキス。
キヅ
かんぴょう のことをいいます。
京都の木津が有名な産地だからと言われています。
おあいそ(お愛想)
お会計、お勘定 のことをいいます。
精算の際、サービスが行き届かなかったことに対し、店側が「愛想がなくて申し訳ありません」と謝罪したのがきっかけとされていたり
客が帰る=愛想を尽かされたと表現したことに由来し、このことから、おあいそは店側が使う言葉であり、客が使うと失礼になる事があるので使わない方が良いとされている。
最後に
いかがでしたか?
よく聞いたことのあるものから初めて聞くものあったのではないでしょうか?
ここで紹介した用語は常に頻繁に使われるものから、そこまで頻度はないものまでありますが、職人を目指す方であれば、全部覚えておくといいですね!
他にも、数字の数え方も隠語になっていたりしますが、それはまた次回の記事で書くことにします。
では、また☆彡
おすっしーでした。